書評 「“普通の人”だから勝てる エナフン流株式投資術」

エナフン流株式投資術

タイトル : “普通の人”だから勝てる エナフン流株式投資術
著者 : 奥山 月仁
出版社 : 日経BP
発売日 :  2018/10/18
オススメ度 : ★☆☆☆☆

どんな本か

本書はウォーレン・バフェットのようにファンダメンタル分析によって成長性のある企業を見つけて投資することを推奨しています。例えば四季報や決算書などの情報から将来価格が大きく上昇する株を探します。

具体的な手順を紹介するのではなく、企業を分析する上での着眼点や考え方について筆者の経験が書かれています。

良い点

本書を読むことで成長する企業を探すための着眼点がわかるので、ある企業に対し「ここは今後期待できるな」と自分なりに判断できるようになると思います。日々のニュース、四季報、ウェブサイト、損益計算書などから判断して自分で納得して投資できるスタイルに近づきます。

残念な点

一番困るのは、筆者のやり方が良いかどうかが分からないことです。市場が好調だったから儲かったのか、筆者の選択が良かったのかが判断できません。過去の投資記録から、「この時こう判断した結果これだけ利益が出た」という事実を見せてほしいと思いました。

また、有望な企業の特徴として、ライバル企業とか、他社の技術をうまく利用している企業などが挙げられています。しかし、基準があいまいなので筆者の投資行動を再現できません。これを読んでも読者は筆者と同じ行動が取れるわけではないので、結局ほぼ自分で判断して投資しなさい、という内容に聞こえます。

まとめ

本書のような、成長性のある企業を探す、割安な株式を探す、などの投資方法はインデックスより優れたリターンを期待して行うものだと思います。もしインデックスよりリターンが悪いのなら、わざわざ企業を探す時間をかけずにインデックスファンドを買えばよい、ということになるからです。

なので、本書の投資方法を実践するなら、同じ金額をインデックスファンドに投資した場合と常に比較しながらやると面白いと思います。インデックスファンドに勝てればそれはすごいですし、負けている場合はインデックスファンドに乗り換えた方が良いと判断できるでしょう。

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