
今回は、ブログサービス vs. WordPressで紹介したAmazon Lightsailを用いてWordPressサーバを構築する流れを説明したいと思います。
図が多く記事が長いので、解説を2つに分けました。今回はWordPressインスタンスを作成しログインするところまで、次回は独自をドメインを取得して設定するところを説明したいと思います。
1. AWSアカウントの作成
LightsailとRoute 53はたくさんあるAWSサービスの内の1つです。そのため、まずはAWSアカウントを作る必要があります。
AWSアカウント作成の流れは公式のウェブサイトhttps://aws.amazon.com/jp/register-flow/に詳しく書いてあるので、こちらに従って個人情報やクレジットカードを登録していきましょう。「ステップ 5: AWS サポートプランの選択」では、無料のベーシックプランを選択してください。

アカウント作成が完了したら、「AWSマネジメントコンソール」にサインインできるか試しましょう。AWSマネジメントコンソールは、文字通りAWSが提供する様々なサービスを管理する画面です。LightsailやRoute 53もこのAWSマネジメントコンソールから作成します。https://aws.amazon.com/jp/にアクセスし、右上の「コンソールにサインイン」をクリックします。

次の画面に移動したら、ルートユーザを選択しアカウント作成時に登録したメールアドレスを入力します。
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この記事では説明しませんが、AWSでは日常的なタスクを実行する場合にルートユーザを使用することを公式で非推奨としています。アカウント設定や加入プランの変更といったタスクにのみルートユーザを使用し、普段の操作はすべてIAMユーザという個々のユーザで行うべき、というベストプラクティスがあります。
こちらに公式のドキュメントを載せておきます。https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/IAM/latest/UserGuide/id_root-user.html
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パスワードを入力し、下図のような画面になれば晴れてAWSマネジメントコンソールにサインインできたことになります。やったぜ。

次はこのコンソールからLightsailを作成します。
2. Amazon Lightsail インスタンスの作成
AWSのサービスの中から”Lightsail”と検索し、選択します。

Amazon Lightsailの画面に遷移したら「インスタンスを作成」をクリックします。

下図のようなインスタンスの内容を決める画面に移ります。OSやインストールするアプリ、スペックなどを選択します。

ここでは以下のように設定します。
- インスタンスロケーション:2020年現在日本国内は東京リージョンしかないので東京を選択
- プラットフォーム:Linux/Unix
- 設計図:アプリ+OSでWordPress
- インスタンスプラン:お手頃な3.5ドル
インスタンス名は好きな名前を入れることができますが、初めての方はとりあえずデフォルトで良いでしょう(”WordPress-1″みたいな名前になるはず)。画面下部の「インスタンスの作成」を押し、インスタンス設計を完了します。

自動的にホームに戻った後、インスタンスを見ると作成直後は下図のように保留中になりますが、1分くらいすると実行中に変わります。

自分は2つ目のインスタンスなのでWordPress-2になっています。
3. 静的IPの割り当て
インスタンスに割り当てられるグローバルIPアドレスはデフォルトで変動する設定になっているようです。これでは使いにくいので、固定にします。
作成したインスタンスをクリックし、「ネットワーキング」タブを選択します。ここでは現在割り当てられているグローバルIPやファイアウォールの設定を確認することができます。
「静的IPの作成」をクリックします。

プルダウンメニューの中から静的IPアドレスをアタッチするインスタンスを選択します。先ほど自分が作成したインスタンスを選びましょう。選んだら「作成」を押して終了します。

一度Lightsailのホームに戻り、再びインスタンスのネットワーキング設定を見ると、下図のように”パブリックIP”だった部分が”静的IP”に変わっていると思います。

さて、ここまででインスタンスを作成し、固定IPを振ることができました。次はいよいよWordPressをいじっていきます。
4. WordPressにログインする
上で設定した静的IPアドレスにブラウザでアクセスすると、WordPressのHello World画面が返ってきます。これからこれを自分好みのウェブサイトにするために、管理画面(ダッシュボード)にアクセスします。
管理画面にアクセスできるユーザが1つデフォルトで作られているので、そのパスワードを確認します。
Lightsailのインスタンスを選択し、「SSHを使用して接続」をクリックします。

すると別ウィンドウでターミナルが出現します。ホームディレクトリにある”bitnami_application_password”というファイルに初期パスワードが書かれているので、表示します。
cat bitnami_application_password
と入力し、出力されるパスワードを控えましょう。

パスワードを入手したので、ダッシュボードにログインできるか試しましょう。好きなブラウザで
http://X.X.X.X/wp-admin
にアクセスします(X.X.X.Xは上で設定した静的IPアドレス)。管理画面へのパスはデフォルトで”wp-admin”です。

すると下図のようなログイン画面が表示されると思います。

ユーザ名とパスワードは以下のように入力してください。
- ユーザ名:user(デフォルトで作られるadminユーザ名)
- パスワード:ターミナルで出力したパスワード
下図のような画面が表示されたら成功です。

ダッシュボードでは、ユーザ、テーマ、プラグインを含めあらゆる設定を管理することができます。今後頻繁にアクセスし操作することになるでしょう。
まとめ
今回の記事では、Amazon Lightsailのインスタンス作成からWordPressへログインするところまで解説しました。
次回は、Route 53というドメインサービスを用いて独自ドメインを取得し、今回作成したインスタンスに紐づけます。次回説明する設定を完了した時点で、あなたは独自ドメインでWordPressサイトを運用できることになるので、ブログを始める用意がほぼできたと言えるでしょう。
もし見にくいところ、最新のAWSやWordPressとずれているところがあればご指摘ください。
それではまた次回。